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   No.18 New Stirling Engine By Brayton Cycle without the dead volume problem, fits for the Hydrogen Engine  
  ブレイトンサイクルの新型スターリングエンジン  (2021年5月26日)
      An entirely new Stirling engine, KAIHO-Engine, has been developed by the joint effort with Japan Stirling-engine Widespread Proliferation Association and Yokohama Seiki Co. Ltd.
  The principle and the configuration of this engine is quite different from the ordinary Stirling Engine and has many advantages and merits. For example, it's free from the dead volume problem, or fits for the Hydrogen Engine.
   Details are shown in the PDF file of   'New Stirling Engine by Brayton Cycle without the dead volume problem, fits for the Hydrogen Engine (KAIHO-Engine)' .
  
      カーボンニュートラル新時代を迎え、環境に優しいエンジンとしてスターリングエンジンの存在感が 強まりつつあります。本ページ(「SEの広場」)においても過去2度(2011年,2013年)取り上げられた 海法エンジンを、ここに再び紹介致します。   
      KAIHOエンジンはNEDOの援助を受け、日本SE普及協会と横浜製機株式会社により開発された。 技術的困難により開発は中止されたがその後の研究で技術的困難は解決され、開発は可能となっている。   
      KAIHOエンジンはスターリングエンジンの一種であるが原理、構造とも従来のスターリングエンジンとは全く 異なる。 基本的な構造は加熱器、冷却器とピストンシリンダがパイプで連結され、弁で遮断されたものである。   
   エンジンの基本構造   KAIHOエンジンの基本構造を左図に示す。
   ピストンシリンダと弁を用いて加熱器からの高温ガスと冷却器からの低温ガスを等容積づつ入れ替えることにより 密度差で質量を移動させ加熱器、冷却器間に圧力差を生じさせる。 圧力比は加熱器からの高温ガスと冷却器からの低温ガスが等密度となる点となり、加熱器は常に高圧、 冷却器は常に低圧である。圧力比は通常目的のエンジンで2以上、特殊目的のエンジンでは3近くとすることが 可能で従来のスターリングエンジンに比べて大きくできる。
   この圧力差を利用し、サイクル内の断熱過程により動力発生するが、圧力差の発生、動力の発生過程とも加熱器、 冷却器、熱交換器やパイプの大きさの影響を受けないため加熱器、冷却器、熱交換器等の大きさに制限はない。 すなわち死容積の問題はない。
   加熱器、冷却器を大きくできるためピストン運動に伴う加熱器、冷却器内の圧力変化が無視でき、 実質的にはブレイトンサイクルであり、熱交換器により熱効率を向上できる。
   また流路面積が大きいため作動ガスとしてHeは必要なく、アルゴンや窒素が使用できる。
   作動ガス流が一方向であるので複数台のエンジンが一組の加熱器、冷却器を使用でき、加熱器、冷却器、 熱交換器内の作動ガス流は連続、滑らかで加熱器、冷却器、熱交換器は全サイクルを通じほぼ一定の条件で作動する。
  発生動力も連続で滑らかであり大出力が可能である。
   大型の加熱器により加熱ガスが加熱器内部を通る構造が可能であり、熱源熱量の利用効率が高い。
   原理が簡単であるので構造は簡単であり、実用性、安全性、経済性に優れる。
  
      NEDOより援助を得て平成24年度(2012年)にKAIHOエンジンを試作し、平成25年度に試験を行った。 結果、KAIHOエンジンは作動し、発生差圧は理論と一致し、KAIHOエンジンの原理を確認された。 また2台のエンジンが一組の大型加熱器・冷却器・熱交換器を使用する構造、また窒素作動ガスの使用にも 問題は生じなかった。
   唯一の重大な支障は弁であり、弁の不具合により目標出力は達成できなかったが、同時に開発された 浮動弁座型ポペット弁により問題は解決可能である。  浮動弁座型ポペット弁は電動化可能でありエンジンの遠隔制御が可能である。  弁の耐熱化が今後の課題として残るが金属製浮動弁座が提案されている。
  
        
   まとめれば以下の特徴を有する。   
   加熱器・冷却器・熱再生器・配管の大きさに制限がない(死容積の問題がない)。   
   加熱器、冷却器を大きくできるため加熱器、冷却器内の圧力変化が無視でき、実質的にはブレイトンサイクルであり、 熱交換器により熱効率を向上できる。   
   流路面積が大きいため作動ガスはHeの必要なく、アルゴンや窒素が使用できる。   
   複数のエンジンが一組の加熱器、冷却器を使用できるため、加熱器、冷却器、熱交換器内の作動ガス流は連続、 滑らかであり加熱器、冷却器、熱交換器は全サイクルを通じほぼ一定条件で作動する。   
   発生動力も連続かつ滑らかでまた大出力が可能である。   
   弁で制御される。同時に開発された浮動弁座型ポペット弁は電動化可能であり遠隔制御が可能である。  緊急時にも遠隔制御によりエンジンを制御できる。   
   大型の加熱器により熱源熱量の利用効率が高い。   
   原理が簡単であるので構造は簡単であり、実用性、安全性、経済性に優れる。   
        
      残る大きな課題は加熱器システムである。平成24年度の試作において市販のプレート型熱交換器を用いて 良好な結果を得たが、この型の加熱器は残渣に詰まりやすく対策が必要である。
   一方、このような問題が生じない用途として水素ガス燃料エンジンが考えられる。水素ガスはクリーンで 残渣は発生しない一方、KAIHOエンジンは外燃式エンジン、定常燃焼で燃焼に伴う問題は少ない。
   また水中動力源が考えられる。従来型スターリングエンジンが水中動力源として実用化されているが、 KAIHOエンジンは実用性に優れるとともに水上動力源も併用できる利点を併せ持つことができる。
  
   エンジンの理論性能   
   KAIHOエンジンの理論性能を上図に示す。
Case1: 加熱温度400℃、冷却温度47℃、熱再生器効率70%で作動ガスがアルゴンの場合、熱効率は約32%、   
Case2: 加熱温度600℃、冷却温度47℃、熱再生器効率70%で作動ガスがアルゴンの場合は、熱効率は約41%で、   
ピストン直径10cm、ストローク10cmのエンジンで、回転数を10rps、圧力を2MPaとすれば、 Case1およびCase2の出力はそれぞれ約8kW、16kWとなる。 これらは理論値であり、実際の性能はこれより下回る。
   出力は回転数や充填圧の増大、装置の大型化により増大できる。 Case1でピストン直径を15cm、ストロークを15cmとすれば理論出力は3.4倍の27kWとなる。
  
   エンジンの概案   
      実用型KAIHOエンジン概案の一例を上図に示す。
   複動式エンジンを2基組み合わせたもので単動式エンジン4基に相当する。 エンジン4基を組み合わせたことでピストン−クランクシステムの動的バランスが得られ、作動ガス流が連続的となる。
   Case1で理論出力は約32kW、ピストン直径、ストロークを1.5倍(それぞれ15cm)とすれば 理論出力は3.4倍、108kWとなる。
  
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  No.17  バイオマス直接燃焼SE-μCHPの納入  (2018年11月19日)
   バイオマス(木質、畜糞など)を最も経済的に活用できる技術 “直接燃焼SE-μCHP(発電と給湯を同時供給するシステム)” の開発が進展してきました。
   第12回スターリングエンジン講演会(10月26日開催)において 株式会社ADMIEXCOエンジン設計が写真のようなSE-μCHPを福島市のある電気株式会社に 納入・設置したことを発表、その概要が説明されました。
   燃料は“エリアンサス”という稙物(草本系バイオマスで燃料用作物)です。
   バイオマスは種類により燃焼方法も異なるので、それぞれの特性に応じた燃焼技術が必要になります。 株式会社ADMIEXCOエンジン設計では、需要が多いと目される “鶏ふん”、“豚ふん” はじめ農産廃棄物などの直接燃焼SE-μCHP”の開発をしているとのことです。
   なお、本システムを見学希望の方は、下記の本協会メールアドレスご連絡下さい。
   メールアドレス: eco-stirling@kne-biglobe.ne.jp


写真:エリアンサスを燃料とするSE−μCHP
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  No.16  SE事業発進に向けての取り組み  (2018年6月12日)
   平成30年2月22日、都道府県会館で行われた 平成30年度ビジネス懇話会でのテーマが “SE事業創生と推進” でした。このテーマに従って (1)地球環境を守るSE事業のポテンシャル、(2)SE事業創世における協会の役割、 (3)“SEμ-CHPシステム”の 開発計画、そして(4)SE事業による畜産市場の動向、の話題提供が当協会からなされ、出席者による活発な意見交換が なされました。当協会としては、これらの議論をもとに具現化への方策を探って参り、この度その骨子が纏まりましたので ここに紹介致します。
   内容的には次の3つのブロックに分けて説明しております。
@ SE事業発進に向けての取り組み(1)
-- 地球環境を守るSE事業のポテンシャル --
A SE事業発進に向けての取り組み(2)
-- SE事業創世における協会の役割 --
B SE事業発進に向けての取り組み(3)
-- “SEμ-CHPシステム”開発チーム作り --
   これらの内容の詳細については、 “JSEの取り組み_2018” (pdfファイル) をご参照下さい。
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  No.15  PCK80 噴射火炎燃焼器  (2017年6月21日)
   Qnergy PCK80 バイオマス噴射火炎燃焼器技術開発
(ADMIEXCOエンジン設計(株)宮内正裕氏)
   Qnergy PCK80はスターリングエンジン(SEと略)200年の歴史では初の “民生事業用SEとして販売”されているものです。 しかし、このエンジンは バイオマス燃焼熱を利用しているもので7kW(最大出力) の発電を行うのは容易ではありません。
   宮内正裕氏は、全く新しい噴射火炎燃焼技術を開発し、Qnergy エンジンの バイオマス利用 に道を拓きました。
◆ ようやく出現した事業用スターリングエンジン ◆
Qnergy PCK80
Qnergyの性能を引き出す燃焼技術の条件
1. 加熱部に火炎を集中するバイオマス燃焼技術
2. 農林・畜産業で発生する廃棄バイオマス
  『草木性バイオマス、鶏糞、牛糞など農林畜産廃棄物全般』
3. 採算性が成り立つ
宮内正裕氏((ADMIEXCOエンジン設計(株))噴射火炎燃焼技術を開発
バイオマス活用に朗報!
バイオマス処理における最大の問題点!!
この問題を解決するスターリングエンジン(Qnergy PCK80)
世界初バイオマスの噴射火災燃焼技術
ADMIEXCOエンジン設計(株)宮内正裕氏が創案したバイオマス燃焼技術
     ◆ 水分を多く含む廃棄バイオマスを燃焼させることができる
     ◆ この燃焼技術がQnergy社PCK80の出力を最大限に引き出す
Qnergy PCK80と噴射火災燃焼炉によるコジェネシステム
Qnergy コジェネシステム
の実証実験と製品化
<熱源>

草木系バイオマス
(間伐材等各種木材、稲藁、もみ殻、
キノコ廃菌床、バガスなど)


畜糞
(鶏糞、牛糞、豚糞)



Qnergy CHPの製品化に向けた
開発を行っている
小規模バイオマス活用に道を拓く
“噴射火炎燃焼技術”
Qnergy PCK80の利点
1. 自産自消型バイオマス活用に最適の熱電併給システムを
提供出来る。
2. 発電は自家消費することにより、FIT制度利用の売電より
利益を上げることができる。
3. エンジンはメンテナンスフリー。メンテ費用はボイラー関連のみ。
維持費が少ない。
本協会は“Qnergy PCK80の利点を最大発揮できる”
『噴射火炎燃焼炉開発を推進』
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  No.14  芝浦工大 災害時向け電源車開発  (2016年12月2日)
   スターリングエンジンとソーラーパネルで電気とお湯を
非常時に供給できる電源車を開発
   11月28日、芝浦工業大学が帝国ホテルで行ったプレス発表の中で、電気工学科高見弘教授が開発された “スターリングエンジンとソーラーパネルを搭載した移動電源車”が取り上げられました。 その内容は、11月30日の日刊工業新聞はじめ多くのメデイア(78メデイア)でも 取り上げられています。
   高見教授は災害時に電気とお湯を供給できるシステムを作りたいとの考えで取り組まれており、 今回発表の「スターリングエンジンとソーラー発電ハイブリッド電源車」は、当協会の 第3回一色尚次賞 (第10回スターリングエンジン講演会に於いて)の奨励賞が受賞されております。
   既に本広場でも取り上げられたことのある “スターリングエンジンとソーラー発電を組み合わせたハイブリッド電源車”ですが、 いよいよ開発段階から実用化に向かって その第1歩を踏み出し始めたと言うことが出来ます。
   スターリングエンジンとソーラパネルを軽トラックに搭載し、かつエンジンの冷却には水を使用することで、 発電と給湯とを同時に実現しております。
   また発電は、ソーラパネルとスターリングエンジンの2本立ての為、晴天以外での夜間や天候不良時でも電源の確保 あるいは蓄電が可能となっています。
   これらの装置はすべてコンパクトに纏められて1台の小型トラックに搭載されているため、需要に応じて 何処にでも出かけて、即座にその機能を発揮することができます。従って、 災害時の被災地での利用も可能であり、電気のインフラが整っていない地域での利用も考えられます。 具体的には、現在高見研究室に在籍している留学生の出身地(セネガル)への導入も検討されています。 高見教授の話によれば、3年以内の実用化を目指し、広く提携企業の募集も行っているとのことです。
帝国ホテルでの芝浦工業大学プレス発表風景 (中央写真円内が高見教授)
[写真提供:芝浦工業大学高見研究室]
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  No.13  ストーブ発電Momoの進展  (2016年9月2日)
1.    インドネシアのバンドン工科大学と帝京大学が熱電併給発電技術 (ロケットストーブ発電Momo) に関して学術交流協定を締結したとのことです。
   共同研究の内容はアブラヤシの殻やもみ殻を固形化する燃料化の研究ですが、 バンドン工科大学ではスターリングエンジンの製造にも関心があるとのことです。 写真はバンドン工科大学での研究活動風景です。テントの入り口にストーブ発電が見えます。
2. ストーブ発電Momoの販売促進活動
(1) ロケットストーブ開発販売“LIFTOFF”がMomoの販促に参加
   ストーブ発電Momoの販売促進に新たにLIFTOFFが加わることになったとのことです。 具体的には平成29年早々にNPOを立ち上げ、高山市の山崎氏率いるNPO法人活エネルギーアカデミーと 協働して販促に邁進するとのことです。
(2) MomoのPR活動
@ 山崎氏は今年3月からロケットストーブ発電MoMoの運転・デモ活動を実施されている。
A LIFTOFFでは車載型Momoを購入し、展示活動と販促を開始している。
車載型Momoは下記写真をご覧ください。
B 9月10日(土)に愛知県刈谷市洲原公園でロケットストーブ・オフ会を開催。 (ロケットストーブのマニアが多く参加)
C 引き続き10月16日「りばーぴあ庄内川2016」で防災をテーマにしたイベントを計画している。
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  No.12  スターリングエンジンとソーラー発電のハイブリッド電源車  (2016年6月15日)
--- 芝浦工業大学のプロジェクト ---
  芝浦工業大学電気工学科高見弘教授の研究室では、 写真のような“スターリングエンジンとソーラー発電のハイブリッド電源車”を製作中です。
   高見教授によれば、本電源車は山間部の電気のない地域や途上国での電気が供給できる、 また災害時には被災地に於いて非常電源・給湯器として活用できるもので、 将来は発展途上国との間でこの種のプロジェクトも期待できるそうです。
   同大学電気電子情報工学専攻修士課程のアフリカからの留学生の研究テーマにもなっています。 同留学生の母国では燃料となるバイオマスは豊富にあるけれども電気が不足している地域も多く、 移動電源車が活躍できるそうです。 同留学生は卒業後母国に於いて本研究を活かしたいとの強い希望を持って本プロジェクトに携わっています。
   本電源車は、先般同大学を会場として開催された “環境自治体会議第24回全国大会―2016東京会議(5月28日~29日) ”に於いて公開されました。 今後ともイベント等への積極的な参加や公開実験を実施していくとのことです。
   本普及協会は大学がスターリングエンジンを搭載した実験車両を作り、 研究の傍ら公開実験をして頂けることに勇気づけられています。 多くの方々が芝浦工業大学の本プロジェクトに注目し、応援して頂ければと祈念しております。
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  No.11  改良ストーブ発電Momo発表  (2016年6月10日)
   昨年(平成27年6月)に発表された百瀬機械設計(株)開発のストーブ発電Momoの改良版を本年5月に発表した。 すなわち従来のMomoは燃料補給の間隔が短いという難点(ロケットストーブ共通)があった。 これはロケットストーブ共通の難点であるが、 百瀬氏は最近この問題を大幅に解決した鋼管ストーブLiftoffの“金田寿正氏”に出会い、 同氏のアイデアを参考に下図のような改良を行った。
   その結果、燃料投入間隔は30分に1回に伸ばすことができ、さらに2次燃焼の勢いも強くなったという。
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スターリングエンジンに興味のある企業の皆様、
お気軽にメールにてお問合せください。
(eco-stirling@kne.biglobe.ne.jp)


 
Copyright (C) 日本スターリングエンジン普及協会