新着情報1件
 

■活動報告履歴
2023年2月 報告27
◆第5回「SE勉強会」

2019年7月 報告26
◆第1回「SE勉強会」

2019年2月 報告25
◆第8回ビジネス懇話会

2018年10月 報告24
◆平成30年度第12回
 スターリングエンジン講演会

2017年2月 報告23
◆平成29年度ビジネス懇話会

2016年10月 報告22
◆平成28年度第10回
 スターリングエンジン講演会

2015年2月 報告21
◆第5回ビジネス懇話会

2015年10月 報告20
◆平成27年度第9回
 スターリングエンジン講演会

2014年12月 報告19
◆平成26年度第8回
 スターリングエンジン講演会

2014年12月 報告18
◆第1回一色尚次賞発表
 スターリングエンジンの発展に向けて

2014年5月 報告17
◆2014環境展・
地球温暖化防止展出展

 
   日本スターリングエンジン普及協会活動報告No.25
 
◆第8回ビジネス懇話会報告
1. 開催日時 平成31年2月14日14:15〜16:45
2. 会  場 都道府県会館408号室(東京都千代田区平河町2-6-3)
3. テ ー マ スターリングエンジン発電のためのユニークな燃焼方法
(1) 木質チップ(高含水率も可)の高速先端燃焼方式について
伊東 文雄氏(BEC株式会社 代表取締役)
(2) 畜糞燃焼によるQnergy PCK80の発電と温水製造システムの進展
宮内正裕氏(ADMIEXCOエンジン設計株式会社、代表取締役)
4.講演要旨
(1) 伊東文雄氏講演要旨
  下図はBEC株式会社の木材チップを燃料とする蒸気ボイラの概要と技術的特徴を 示している。  

BEC(株)の技術例  独自のボイラー燃焼メカニズム(高速先端燃焼技術)
高燃焼効率ボイラーシステム:
   完全燃焼による無煙。高水分含有燃料チップも燃焼可能。また、高効率の蒸気水管式 (水を直接加熱) ボイラーシステム技術と併せて、燃料を乾燥する必要がなく、燃料コストを 最大限度低減。
スターリング・エンジンを活用した発電と熱エネルギー利用構成図
(Congeneration)          
BECシステムの特徴とと優位性
1. コストメリット:
重油・ペレットと比較してチップの価格優位性は大である(約半分)。
2. 完結型(ターンキー)エネルギー総合供給システム
設置から燃料供給、稼働管理、保守に包括的サービス。 継続的安定稼働をサポート。
3. On Demand エネルギー供給システム:
車載システムで、融雪や次元需要に対応する。
4. 高燃焼効率ボイラーシステム
5. 唯一の“半自動運転システム”
6. オペレーションのハイブリット化、タンデム化:
既存設置システムとのハイブリット化によりエネルギー消費のピーク時に既存システム と並列運転が出来る。またタンデム化が可能。
(2) 宮内正裕氏講演要旨
  糞尿は排出量が多く、肥料としても供給過剰状態でエネルギーとしての活用が最も 必要とされるバイオマスである。しかし、含水率と灰分が多く、それが鶏糞のエネルギー 利用の障害となっている。 本講演は、この難題解決に取り組んでいる“鶏糞燃焼と SE発電技術開発の課題と進展について述べたものである。
(ア) コンパクトな1室式2段燃焼の開発…振動揺動床
  2段燃焼はNOx発生量を低減する燃焼法であるが、宮内氏はクリンカや灰の対策処理 として2段燃焼を使っている。下図はその技術のコア部分を示したものであるが、ポイント は空気孔の断面積を燃焼方向に変化(同図左下参照)させたこと、かつ燃焼炉内への 空気供給(同図右上参照)及びクリンカと灰を排出するための振動揺動床である。
(イ) SEヒーター部への灰付着問題…鶏糞燃焼の場合の最大課題


  鶏糞には珪素や Ca など灰成分が約30%も含まれる。右図はこの灰除去しない場合の スターリングエンジン(以後SEと略記)のヒーター部分の灰付着状況を示した物である。 このような灰付着は伝熱を著しく阻害し発電を低下させる。

  宮内氏はこの灰対策としてSEヒーター部の直下にサイクロンを設置し、10μ 以上の粒子を 除去することを試みた(下の写真参照)。

  右の写真はサイクロンをつけて30時間運転後の灰付着状態を示したものである。
  写真(上)はクリーンな状態、写真(下)が30時間運転後である。ここで灰の付着量は激減しているが それでもなお細かな粒子が複雑な管構造の奥にも付着しており、長時間運転をすると、ほどなく前図のように灰で 覆われるであろうことが予想される。
  それ故、灰分が多い鶏糞などのバイオマス利用では、この灰付着が最大の問題となる。


(ウ) 木質バイオマスの場合

  一方、木質バイオマスの場合は木種により異なるが、樹皮を除けば灰分量は2%以下のものが多い。 それ故、サイクロンを通すと灰分は非常に少なくなり、長時間連続運転が可能であろう。
  次の写真は、同社が製作・納入したSEのCHPである。納入先は福島市の六洋電気株式会社で、 すっぽんの養殖池の水温調整のため使われる。燃料は木質ペレットやエリアンサスなどが使われるとのことである。
  しかし木質バイオマスを使う場合には留意すべき点がある。すなわち樹木の場合、 樹齢が古いものは土中の重金属を長い年月吸い上げるので、灰を自然界にそのまま戻すことができない (参照:日本木質バイオマスエネルギー協会HP)。
  また、次の写真で示される例のように福島県で栽培されるエリアンサスにはセシウムを含む可能性があり、 その取扱いにおいてもセシウムの有無を調べるなどの注意が必要である。
(エ) ビジネス…市場&採算性
製品と市場規模
採算性
(3) 伊東氏講演に対する質疑要旨
Q: システム価格(除くSE)は幾らか?
A: 約6,000万円
Q: 竹を燃料とした事例と問題点?
A: 竹も木材と同様に扱える。しかし珪素が多いので灰が多めに出る。したがって人力で灰を除去しながら運転をした。
Q: 竹は発熱量が高く、燃焼温度も高い。それによる腐食性などの問題はないか。
A: その問題はない。
(4) 宮内氏講演に対する質疑要旨
Q: CHPのエネルギー変換効率はどの位か?
A: 分母に燃料保有エネルギー、分子に“発電+温水”として約50%。炉の断熱等をすれば効率は上がる。 現在は断熱をしていない。
 メタン発酵と直接燃焼の比較・・・どちらが有利か
Q: メタン発酵と直接燃焼と採算性はどちらが優位か?
A: 白紙的にはメタン発酵の方が有利と考えるが、鶏糞はメタン発酵が難しいので、直接燃焼が良いと考える。
 エンジンの振動
A: 振動は60Hz で一定であるので、防振ゴムを適正に選ぶと吸振できる。振動による問題はないと考える。
 冷却水量及び冷却水の温度上昇
Q: 冷却水量はどの位か。また冷却器による水温上昇は幾らか。
A: 冷却推量が20L/min以下ではエンジンが停止する。福島に設置したものは60L/min であるが、温度上昇は4℃。流量が30L/minなら7〜8℃位か。
 コンタミ問題・・・・Hot Cleaningについて
Q: 実用に供するCHP開発における一番の障害は何か?
A: ヒーター管への灰の付着である。長時間運転では灰の付着と共に発電量が低下するので、 運転中にHot Cleaningが必要である。
Q: 伊東さんに伺います。Hot Cleaningについてボイラ製造者としての立場から何かアイデアをお持ちでしょうか。
A: (伊東氏):蒸気を使えばゴミをとるのは難しくはない。CHPにも一部蒸気発生する機構を付けることができれば、 それができるのではないか。
 ゴミ付着機構
Q: ヒーター部のゴミ付着は燃焼ガスの流速を大きくすると、熱伝達率も上がり、 かつゴミを吹き飛ばして壁面につきにくいと思うが、・・・・?
A: ヒーター管の直径は4.7oφと非常に小さく、燃焼ガスは高温であるので動粘度が大きく管周りの レイノルズ数は小さく層流になる。それ故、熱伝達は大きくならない。 またゴミは層流底層にも入るので、ゴミ付着は防げない。
ゴミがわずかでも付着すると、それが伝熱を阻害するので、 クリーンな表面のような高い熱伝達を達成することはできない。
T氏:  ヒーター部はエンジン内では吸熱が生じているので、表面温度が低くなる。 ゴミは表面温度が低いと付きやすい。
蒸気加熱はコンタミ及び伝熱の観点では有利であるが、蒸気加熱をするための装置が必要となる。 簡単にできるものではないと考えている。
 水蒸気加熱の有意性・・・・前澤氏の提案
S氏:  PCK 80を搭載したバイオマスボイラを開発するための基礎的実験を準備している。 そこで自作のロケットストーブによるSE作動試験と蒸気(温度200℃)で作動させることを計画している。 200℃の蒸気で作動するか否か、お教え頂きたい。
A: (前澤氏) 200℃の蒸気でSEを作動させることは可能である。現在はシミュレーションで500Wまで 出るエンジンを設計し試験している。現状は160Wしか出ていないが、SEは蒸気で加熱した方が燃焼ガスで 加熱するより性能を出しやすい。PCK80は現状のままでも蒸気加熱ができるが、性能を出すためには加熱部を 水蒸気加熱用に変更する必要がある。すなわちヒーター管部を小型にしたうえで、加熱部は開放させるので はなく、蒸気が滞留するように覆う必要がある。
【※注釈】  蒸気加熱は蒸気の凝縮時に出る潜熱を利用するので、伝熱特性が良くなる。
Q: 蒸気ではなく熱媒体を使う場合の加熱効果はどのようなものか。
A: 熱媒体は相変化(蒸発)がなく液体のままで使うので、保有する熱量が蒸気に比べ少ない。 したがって、蒸気のような伝熱効果は期待できない。
 SEコジェネの量産への提言
I氏:  再生エネを使ったコジェネの量産に対する補助金が経産省が予算化している。これを活用することを 真剣に考えてはどうか。
現在マイクロジェンを使った家庭用コジェネ(高見教授の車載モデルを基礎として)の量産化を実現したく努力している。 SE協会グループでも量産可能なものがあればコラボしたい。
I氏提案は重要な意味を持っている。量産化への補助金研究と量産CHPモデルの
検討をすべきではなかろうか。
 
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